ホテル業界の10年後|生き残るホテルの特徴3選【元ホテル支配人が解説】

ホテル
tomoko
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ホテル業界の10年後ってどうなると思いますか?

tomo
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個人的な見解ですが、10年後も生き残るホテルには3つの特徴があると思っています

この記事をおすすめする人

ホテル業界の10年後がどうなるか気になる人

この記事を読んでわかること

元ホテル支配人の経験を元に考えた、10年後も生き残るホテルの特徴がわかります

結論

ホテル業界の10年後|生き残るホテルの特徴3選

IT化に対応できるホテル

おもてなしで選ばれるホテル

朝食で選ばれるホテル

アフターコロナのホテル業界を勝ち抜き、10年後も生き残るためには上記3つの条件が必要

ホテル業界の10年後|生き残るホテルの特徴3選

インバウンド需要の増加や東京オリンピックの開催で、ますます活気づく・・・はずだったホテル業界は、新型コロナの登場により大打撃を受けることになりました。

tomoko
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廃業に追い込まれたホテルもたくさんありましたね・・・

そんな中、国によってはコロナの規制を全面的に解除するなど、2022年になり少しずつウィズコロナ・アフターコロナへ向けて世界が動き出しました。

アフターコロナ後、そして10年後も厳しいホテル業界で生き残るためには、これから解説する3つの特徴が必要だと考えます。

  • ホテル業界で働きたいけど、業界の将来が不安
  • ホテルマンとして働いているけど、この先どうなるか不安

理由と根拠を元ホテル支配人である自分が解説しますので、現役ホテルマンの方やホテル業界に興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。

IT化に対応できるホテル

10年後も生き残るホテルの特徴1つ目は、「IT化に対応できるホテル」です。

意外に思う方もいるかもしれませんが、古いホテルや旅館などではいまだにデータではなく紙で予約管理している施設も少なくありません。

また予約についてもネット予約ではなく、電話予約をメインにしているホテルや旅館もあります。

ただし以前投稿したこちらの記事でも解説したように、ホテル業界は今後より一層、少数精鋭によるマルチタスクが求められるようになります。

IT化に対応できないホテルは、基本的には人員を増やすことでしか効率化を図れません。

そのためいつまで経っても少数精鋭化やマルチタスクが実現できず、結果として収益を上げられないのです。

一方、IT化が進んだホテルは業務をシステムに代行させることで、少ない人員でも運営できるようになります。

tomo
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つまり業界の課題である人材不足を解消できるのです!

その証拠に、実際に「星野リゾート」や「アパホテル」といった有名なホテル運営企業も、ITやWEBの活用に注力しています。

星野リゾートが800ものアプリを内製 全スタッフIT人材化によって顧客体験を深化

上記の記事によれば、星野リゾートは全スタッフをIT人材化することにより、業務スピードの向上やデータ活用の展開を実現したとのこと。

また大手ホテルチェーンのアパホテルは、予約からチェックイン、チェックアウトまで全てワンストップ&1秒で完結できる「アパアプリ」を開発しています。

【公式】アパホテル|非接触型アプリチェックインプラス

「予約業務」「チェックイン業務」「チェックアウト業務」の全てをシステムが代行することで、大幅な作業効率化につなげています。

アパホテルは新型コロナウイルスの影響でホテル業界が軒並み赤字を出す中、2022年度の決算においても10億円近くの黒字化に成功している企業です。

上記2つの例からも、IT化に対応できるホテルの強さが分かると思います。

時代の流れに合わせてバージョンアップし、IT化による効率化を持続できるホテルは、10年後も生き残れるでしょう。

おもてなしで選ばれるホテル

10年後も生き残るホテルの特徴2つ目は、「おもてなしで選ばれるホテル」です。

今後ホテル業界のIT化はどんどん進んでいくと予想されますが、ITやシステムにはどうしてもできないものがあります。

それが、人による、人でしか癒せない「おもてなし」です。

ホテルはゲストに「寝る場所」を提供する施設ですが、それと同時に「おもてなし」も提供する施設。

ホテルの宿泊料にサービス料の費目があるのが、何よりの証拠です。

売れ続けているホテルには、優れたおもてなしの精神があります。

例えば、全国チェーンホテルとして有名なアパホテルの客室には、折り鶴が設置されています。

これはホテルで働くスタッフがおもてなしの心を込めて、1羽ずつ折っているもの。

また旅行サイトなどでは、プロが選ぶ!おもてなし部門の評価が高いホテル・旅館100選のような、おもてなしを評価する企画も度々開催されています。

https://www.nta.co.jp/yado/ranking/100sen/motenashi.htm

ホテル業界が10年後も生き残るためには、日本独自の文化である「おもてなし」は避けては通れない課題です。

時代の流れに左右されず、需要も高い「おもてなし」で選ばれるホテルは、今後も生き残り続けるでしょう。

朝食で選ばれるホテル

10年後も生き残るホテルの特徴3つ目は、「朝食で選ばれるホテル」です。

なぜならホテルの朝食というものは、宿泊客にホテルの印象を与えるラストシーンを彩るため。

部屋とお風呂は良かったけど、朝食は口に合わなかった

部屋とお風呂はいまひとつだったけど、朝食は美味しかった

上記2つのホテルがあった場合、ゲストの印象に残りやすいのは後者の方です。

なぜなら人はメリットとデメリットがある場合、メリットを後にした方が好印象を持つため。

tomoko
tomoko

えっ!そうなんですか?

tomo
tomo

では、もう1つ例文を出しますね

tomokoさんは仕事は完璧だけど、プライベートはズボラだよね

tomokoさんはプライベートはズボラだけど、仕事は完璧だよね

tomoko
tomoko

なるほど、確かにメリットを最後にした方がいいですね!

これは営業トークにも使われるテクニックの1つで、人間は終わりの印象が良ければ、全体の印象も良く思えてくるもの。

またそもそもの話、朝食がまずいホテルにわざわざ泊まろうとは思わないですよね。

tomoko
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でも朝食を食べない人もいるし、そんなに朝食って大事ですか?

もちろんホテルに泊まる人の全てが、朝食を食べる訳ではありません。

では、一体どれくらいの人がホテルの朝食を食べるのでしょうか。

下記の表をご覧ください。

https://jdpower-japan.com/infographics/3881/

上記のグラフは、ホテルの価格帯別での朝食の喫食率を表したものですが、一番安い価格帯のホテルでも6割以上、高級ホテルでは8割以上の方が朝食を食べているのが分かります。

つまり朝食がまずいホテルは、6割〜8割の宿泊客に悪い印象を与えているのと同じです。

tomoko
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ひえ〜!朝食って超大事じゃないですか!

ちなみにホテルには、Bed(ベッド)、Bath(風呂)、Breakfast(朝食)の頭文字を取った「3B」と呼ばれる業界用語があります。

3Bはホテルを運営する上で重要な要素と言われており、中でもゲストの最後の思い出となる「朝食」は特に重要な要素です。

ホテル滞在のラストに好印象を与える「朝食」で選ばれるホテルは、10年後も生き残るホテルといえるでしょう。

まとめ

ホテル業界の10年後をテーマに、10年後も生き残るホテルの特徴を3つ解説しました。

最後にもう一度、内容をまとめます。

10年後も生き残るホテルの特徴3選

「IT化に対応できるホテル」

業務の大幅効率化が可能となり、業界の課題である人手不足も解消

「おもてなしで選ばれるホテル」

人による人でしか癒せないおもてなしは、時代に流れに左右されず需要も高い

「朝食で選ばれるホテル」

終わりよければ全て良し。旅の最後を印象付ける「朝食」が美味しいホテルは強い

tomo
tomo

ホテル業界は厳しい状況が続いていますが、必ず良い未来が訪れると信じています!