ホテルマンの収入は低いのか?|ホテル毎の初任給や年収を調べてみた

コインが積まれている様子ホテル
tomoko
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よくホテルマンの収入は低いって言われますけど、本当でしょうか?

tomo
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そんなtomokoさんのために、今回はホテル毎の初任給や年収を調べてみました!

今回のブログは「ホテルマンの収入は低いのか|ホテル毎の初任給や年収を調べてみた」と題し、ホテル毎の初任給や年収はもちろん、採用実績までも徹底調査しました。

公式サイトの募集要項はもちろん、就活情報サイト(doda、マイナビなど)や有価証券報告書を参考に、初任給や平均年収、採用実績などを紹介。

これからホテル業界を目指す方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

「この記事をおすすめする人」

ホテル業界で働く上で、初任給や平均年収、採用実績などが気になる人

「この記事を読んで分かること」

ホテル御三家、鉄道系ホテル3社、宿泊特化型ホテル3社の例とともに、初任給や平均年収、採用実績が分かります

「結論」

ホテル名ランク初任給(4年制大卒)備考
帝国ホテルラグジュアリー(高級)206,160円・言わずとしれたホテル御三家の雄
・日本の迎賓館として開業
ホテルオークララグジュアリー(高級)200,450円・御三家で2番目に古い老舗ホテル
・和モダンに注力
ホテルニュー・オータニラグジュアリー(高級)198,500円・御三家では一番新しい
・東京オリンピックのために開業
プリンスホテルミドル
(中級)
209,500円・西武グループの鉄道系ホテル
・国内のホテル/レジャー業界で最大の規模
東急ホテルズミドル
(中級)
208,000円・東急グループの鉄道系ホテル
・ビジネスクラスのホテルも運営
京王プラザホテルミドル
(中級)
203,500円・京王電鉄の鉄道系ホテル
・新宿の超高層ビル群の先駆け的存在
東横インバジェット
(低価格)
162,000円〜210,000円
※勤務エリアで変動
・宿泊特化型ホテルの代表格
・支配人の9割が女性で構成
ドーミーインバジェット
(低価格)
176,000円〜
※職種により変動
・共立メンテナンスが運営
・学生寮やシニア向け賃貸なども手掛ける
アパホテルバジェット
(低価格)
222,630円~272,630円+諸手当
※勤務エリアで変動
・帽子の女性社長が有名
・コロナ禍でも続々と開業
※平均年収、採用実績は各項目を参照

※2021年12月時点の各ホテル公式サイトの数字を参照

※初任給は職種や勤務地により若干の変動あり

ホテル毎の初任給/平均年収/採用実績をまとめてみた

お金を持ってよろこぶ人

今回はホテル毎の初任給(4年制大卒)や平均年収、採用実績を「御三家」「鉄道系」「ビジネス系」の3つに分けて紹介します。

これからホテル業界への就職を目指す方においては、初任給や平均年収、採用実績がどれくらいなのか気になりますよね。

ちなみにホテル業界の初任給についてですが、結論から言うとホテル毎の初任給はどこも大差なく、金額も高いとは言えません。

これは各ホテルの問題というよりも、ホテル業界全体の給与が低いのが原因ですね。

厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況」のデータによると、業種別で一番高い初任給の平均は「情報通信業」の205,830円です。

一方、もっとも初任給の平均が低いのが「宿泊/飲食サービス業」で、178,680円という結果に。

ただしこの金額には飲食サービス業の数字も含まれているため、宿泊業だけの正確な数字ではありません。

tomoko
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とはいえ、いずれにしても低い金額なのには変わりないですね・・・。

ホテル業界の給与も含め、業界全体の動向が知りたい方は以下の記事で解説していますので、そちらをご覧ください。

また、初任給や平均年収、採用実績などは、「公式サイト」「就職情報サイト(doda、マイナビ等)」「有価証券報告書」を参考にしています。

上場企業や公式サイトに掲載がある場合はその数字を、非上場の企業や公式サイトに記載がない場合は就職情報サイトの数字を参考に記載します。

ホテル御三家

腕組みする三人組
※画像はホテルと無関係です

ホテル業界を目指す方はご存知でしょうが、日本のホテルには「御三家」と呼ばれる超一流ホテルが3つあります。

国賓などが招かれる「帝国ホテル」、和モダンな造りが特徴の「ホテルオークラ」、1964年の東京オリンピックのために開業した「ホテルニュー・オータニ」の3つです。

ホテルランクは、最高級の「ラグジュアリー」で、宿泊単価は最低でも3〜5万円以上。

当然、御三家で働くホテルスタッフは超一流のホテルマンばかりです。

そんな超一流ホテルである御三家の初任給や平均年収、採用実績は果たしてどれくらいでしょうか。

帝国ホテル

帝国ホテルの初任給は206,160円(4年制大卒)です。

また、EDINETで帝国ホテルが公表した有価証券報告書によると、2021年度の平均年収(給与)は470万円です

この数字は過去5年間の平均年収を下回っていて、過去5年間の平均年収は551万円でした。

2021年度が下回った要因の1つとしては、やはり新型コロナによる渡航制限などが影響していると考えられます。

ちなみに公式サイトに掲載されている、過去5年間の採用人数(総合コースの正社員)がコチラ。

2021年:13名

2020年:25名

2019年:14名

2018年:17名

2017年:17名

2021年が過去5年間でもっとも採用数が少なく、2020年と比べると半分以下の採用数です。

この結果から考えても、今後も帝国ホテルに就職するためには、狭き門をくぐり抜ける必要があるでしょう。

ホテルオークラ

ホテルオークラの初任給は、200,450円(4年制大卒)です。

有価証券報告書によると、2021年の平均年収は507万円。

平均年収500万超えという数字は、業界の中でも高めの数字ですね。

さすが業界の御三家といったところでしょうか。

また公式サイトのデータによると、直近3年間の採用実績は以下の通り。

2019年度2020年度2021年度
大学・大学院卒3名7名5名
短期大学・専門学校卒14名28名28名
調理専門学校卒15名22名8名

やはりというか、2021年度の採用数が一番少ないですね。

大学や大学院卒よりも、短期大学や専門学校卒の方を中心に採用しているようです。

またスキル職にあたる調理専門学校卒も採用しています。

ただし、調理専門学校卒は2021年度に大きく採用数が減少しています。

要因としては、恐らく新型コロナによる時短営業などの影響が考えられます。

パンデミックが収束すれば、いずれ採用数も元に戻るでしょう。

ホテルニュー・オータニ

ホテルニュー・オータニの初任給は198,500円(4年制大卒)です。

ホテルニュー・オータニは非上場企業のため正確な平均年収は不明ですが、就職情報サイト等の口コミによれば、およそ400万円前後とのこと。

初任給や年収だけで言えば、御三家の中では一番低い数字です。

また、過去3年間の採用実績(4大、短大、2年制専門卒)は以下の通り。

2021年:112名

2020年:126名

2019年:81名

2018年:86名

他2つの御三家の採用数と比べると、かなり積極的に採用しているといえますね。

加えて2021年度の採用数についても、大幅な減少は見られません。

あくまでも採用実績だけでいえば、御三家でもっとも就職しやすいホテルかもしれません。

鉄道系ホテル3社

列車の写真

続いて鉄道系ホテル3社の初任給と平均年収について。

駅前周辺には多くの鉄道系ホテルが建っています。

以前までの鉄道系ホテルは、主に結婚式場や宴会場を備えたミドルクラス(宿泊単価2〜3万円ほど)のホテルが中心でした。

しかし近年では結婚式場や宴会場を持つシティホテルではなく、宿泊のみに特化した宿泊特化型ホテルも展開する鉄道系ホテルもあります。

例えば、私鉄だと「相鉄フレッサイン」、JR(西日本)だと「ヴィアインホテル」あたりが有名ですね。

今回はそのような宿泊特化型の鉄道系ホテルではなく、ミドルクラスに分類される鉄道系ホテル3社を調べました。

プリンスホテル(西武)

プリンスホテルの初任給は209,500円(4年制大卒)です。

正確な年収は公表されていませんが、就職情報サイトなどのデータを見ると、年収は一般職クラスで300万円程度、マネージャークラスで500万円程ですね。

プリンスホテルは国内49ヶ所、海外33ヶ所、会員制3ヶ所を展開する西武グループのホテル。

またホテル以外にもゴルフ場やスキー場、レジャー事業と幅広い事業を展開し、ホテル・レジャー事業については国内最大の規模を誇ります。

次に採用実績についてですが、公式サイトに記載されている直近3年間の採用実績は以下の通りです。

大学・大学院短大・専門調理
2021年4月(予定)106名(男19/女87)86名(男26/女60)81名(男60/女21)
2020年4月92名(男37/女55)116名(男32/女84)128名(男72/女56)
2019年4月114名(男33/女81)196名(男59/女137)151名(男89/女62)
※ナショナルスタッフ(総合コース、ナショナルコース)・エリアスタッフの合計数

大学・大学院卒以外の採用実績は、年々減少の傾向にあるようです。

また調理以外では女性を多く採用しており、女性が多いホテル業界ならではの男女比といえますね。

東急ホテルズ

東急ホテルズの初任給は、208,000円(4年制大卒)です。

就職情報サイトなどによると、平均年収は一般職で330〜350万円ほど。

ただし、上記は年2回のボーナスを含めた金額であるため、業績次第では下がる可能性もあります。

次に採用実績についてですが、就職情報サイトによる採用実績は以下の通りです。

2020年:12名(男3/女9)

2019年:9名(男4/女5)

2018年:15名(男3/女12)

※4年制大卒の実績

現役社員の口コミ情報によれば、充実した研修制度と職場環境で働きやすいという意見があります。

しかしその一方で、変動差が大きい給与体系には不満といった意見も見受けられます。

京王プラザホテル

京王プラザホテルの初任給は、203,500円(4年制大卒)です。

就職情報サイトの口コミ情報によると、平均年収は300〜400万円ほど。

年功序列の給与体系で、昇給は年1回、ボーナスは夏と冬の2回。

採用実績については以下の通りです。

2020年:61名(男32/女29)

2019年:33名(男16/女17)

2018年:19名(男17/女19)

女性が多いホテル業界の中でも、バランスの良い男女比で採用しています。

また入社後は社内の人脈拡大を目的に「ルーキーローテーション」制度を採用し、フロントやベル、客室係やウェイターなど、複数の部署を経験するようです。

宿泊特化型ホテル3社

ホテルのベッドと本

宿泊特化型ホテルとは、文字通り宿泊機能に特化したホテルのことで、宴会場や結婚式場などを持たないホテルのこと。

客室に特化することで運営コストを下げているため、基本的には1万円以下で泊まれるホテルがほとんどです。

主なターゲットはビジネスマンですが、週末はカップルやファミリーなどのレジャー層も宿泊します。

そのため平日はビジネス層、土日祝はレジャー層とターゲットを分けることで、稼働率が安定しやすいのも特徴。

数ある宿泊特化型ホテルの中から、今回は「東横イン」「ドーミーイン」「アパホテル」の3社の初任給や平均年収を調べてみました。

東横イン

東横インの初任給は162,000円〜210,000円(4年制大卒)です。

平均年収についてですが、公式サイトに女将(支配人)の平均年収モデルが公開されています。

入社1年目:420万円

入社2〜3年目:422〜651万円

入社3〜5年目:548〜913万円

入社5〜9年目:602〜1011万円

入社10年目:687〜1057万円

※2019年実績

金額差が大きい理由ですが、恐らくインセンティブにより変動するためと思われます。

なぜなら、公式サイトに「お客様支持率=お部屋の稼働率を高めた人が、いい思いをできます」「さぼった人はできません」と記載があるためです。

募集要項にも、給与とは別にインセンティブ手当が支給される旨が記載されています。

次に東横インの採用実績ですが、あいにく公式サイトや就活サイト等では前年度の採用実績しか記載されていません。

ちなみに、2020年度の採用実績は14名です。

また東横インの特徴として、支配人の97%は女性で構成されています。

男性の方で東横インの入社を検討している方は、意識しておく必要があるでしょう。

ドーミーイン

ドーミーインの初任給は、176,000円〜(4年制大卒)です。

職種により初任給の金額が変わり、全国転勤が可能な「グローバル」での採用だと高くなります。

平均年収は、一般職で360万円、支配人で560万円ほどです。

また公式サイトには、平均年収のモデルが公開されています。

年齢社歴役職平均年収
25歳1年目スタッフ360万円
29歳3年目副支配人430万円
35歳5年目支配人560万円
44歳10年目副部長700万円
※月給+夏期・冬期・決算賞与などを含む
※スタッフと副支配人は時間外手当(30時間)を含む

最後にドーミーインの採用実績ですが、直近3年間の採用実績は以下の通りです。

2021年:343名(男105/女238)

2020年:300名(男100/女200)

2019年:314名(男97名/女217)

全国展開しているホテルチェーンらしく、300名超えと高い採用実績があります。

男女比でいえば、やはり女性の方が多いようですね。

ちなみにドーミーインは韓国にもホテルを展開していますが、今後さらなる海外展開を視野に入れているそうです。

現時点では韓国での勤務は想定していないようですが、海外勤務に興味がある方は頭の片隅に入れておきましょう。

アパホテル

アパホテルの初任給は、222,630円~272,630円です。

上記の金額に、さらに諸手当がプラスされます。

初任給の金額だけでいえば、今回紹介するホテルの中では一番高い金額ですね。

またアパホテルの平均年収ですが、就職情報サイトによる口コミベースだと下記の通りです。

・390万円(27歳/入社2年目/月給28万円+各種手当+賞与年2回)

・530万円(33歳/支配人/月給37万円+各種手当+賞与年2回)

東横インやドーミーインもそうですが、全国展開するチェーンホテルでは、転勤のありなしで年収が大きく変わります。

アパホテルの場合も、記載した初任給は「全国転勤あり」「首都圏勤務」を想定した金額です。

転勤なしの職種を選んだり、物価の安い地域への配属となった場合は、収入差が出る可能性があります。

全国展開するチェーンホテルへの就職を希望する際は、注意する必要があるでしょう。

最後にアパホテルの採用実績は以下の通りです。

・2019年度:301人

・2018年度:239人

・2017年度:185人

tomo
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ちなみに余談ですが、喫煙者の方はアパホテルへの入社は注意が必要です!

なぜなら、アパホテルは社則で「※屋内原則禁煙(喫煙可の宿泊室あり)」と記載があるため、職場ではタバコが吸えない可能性があります。

「喫煙可の宿泊室あり」とは書いてありますが、喫煙所の有無は不明です。

またアパホテルには「全館禁煙ホテル」も複数ありますので、配属先次第では勤務中に全く吸えないこともありそうですね。

まとめ

握手の様子

ここまで、ホテル毎の初任給や平均年収がどのくらいなのか、ホテルのランク毎に分け9つ紹介してきました。

最後に今回の調査結果をランキングにした結果がコチラ。

順位初任給平均年収(役職問わず)
1位アパホテル(222,630円~)東横イン(687〜1057万円/入社10年女将)
2位プリンスホテル(209,500円)ドーミーイン(700万円/入社10年副部長)
3位東急ホテルズ(208,000円)アパホテル(530万円/33歳支配人)
※平均年収はモデルケースです。
※初任給は職種や勤務エリアで変動あり。

もちろん、初任給や平均年収は判断材料の1つであって、それを目的に就職すべきではありません。

大切なのは、どのホテルで働くべきかではなく、あなたがどのホテルで働きたいかです。

本記事があなたのホテルマン人生のきっかけになれば幸いです。

tomo
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今回も最後までブログをお読みいただきありがとうございます!