入ったばかりの新入社員が辞めてしまいました。
最近の新入社員は根性が足りないですね!
本当にそうでしょうか?
最近の新入社員の傾向を理解しておかないと、また同じことを繰り返しますよ!
最近の新入社員の傾向と対策3選
「入社して3ヶ月で新入社員がやめてしまった」
「新入社員に情熱を持って指導しているが、いまいち本気度が伝わってこない」
新入社員を指導する上で、このような悩みを持つ人は多いでしょう。
結論から述べると、原因は新入社員ではなく会社や指導者の可能性があります。
最近の新入社員の傾向を理解しておかないと、せっかく採用した新入社員が次々と退職するかもしれません。
元ホテル支配人の自分が、実際に多くの新入社員を指導した経験を元に、最近の新入社員に見られる傾向と対策を3つ紹介します。
この3つの傾向と対策は、新入社員を指導するなら絶対に知っておきたいことです。
ぜひ最後までお付き合いください。
① 仕事よりもプライベートを重視
「仕事は常に全力投球」
「会社の精神に共感し、お互い切磋琢磨しながら情熱を持って仕事に取り組む」
「そのためには、上司や先輩が愛のあるムチで厳しく指導するのは当然だ」
この考え方が間違っているとはいいませんし、批判する気もありません。
しかし、最近の新入社員においては、理解に苦しむ傾向があります。
なぜなら、仕事は家庭環境などのプライベートを充実させるための手段と考えいるからです。
定時退社を好み、家族や友人、恋人、そして趣味の時間を大切にします。
また、女性の場合は結婚や出産を皮切りに、フルタイムの正社員ではなく、時短勤務やパート勤務を望む人もいます。
このプライベートを重視する傾向を象徴するかのように、先日下記のような会社も現れました。
「推しの卒業決定で10日間の有給付与」 “オタ活”への理解が深すぎる企業に「最高の会社」「まじでホワイト」の声
オタクの活動全般がそうなのですが、実際に体験していない人には、推しがいる楽しさも卒業の悲しさも理解できないと思います。なので、誰にも話せずに一人で落ち込んだり、その様子が気持ち悪いといわれたり、悲しい思いをすることも多いです。
僕は、ダイバーシティーというのは、自分が「理解できない痛み」についてその存在を認めて、和らげていく努力がすべての人に求められる時代のことだと思っています。
今回の件で、「そういう生き方の人もいるんだね」と気づいてもらって、みんながみんなにやさしくできる世界に、ちょっとでも近づいたなら、すごくいいなと思っています。
(一部記事を抜粋)
引用元 https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2103/14/news021.html
普通に考えたら「アイドルが卒業してショックなので、しばらく有給取らせてください」なんて理由で有給は申請しにくいもの。
しかし、この会社の社長が曰く、このニュースが広まったお陰で求人の問い合わせが10件以上増えたそうです。
もちろん、全ての会社でこの制度が有効に機能するとは限りません。
しかし、この会社のように「社員の個性を尊重する」という考え方は、現在の世情を鑑みても、非常に大切なことです。
では、こういったケースも踏まえて、今の会社や上司に求められている対策は何でしょうか。
それは「定時内で仕事をしっかり終わらせ、なおかつ生産性を高めること」です。
ダラダラ残業するのではなく、生産性を上げることが重要なのは誰でも分かります。
スラムダンクの赤木キャプテンのように、部活後や休日に桜木花道を特訓するようなやり方は避けてください。
要するに、勤務時間外でに新入社員に対して指導することは好まれないということです。
(決して赤木キャプテンをディスってる訳ではないですよ。自分はスラムダンクで赤木キャプテンが一番好きです)
残業や休日出勤を用いて生産性を上げられたとしても、その分社員のモチベーションは低下するため、最終的には離職につながります。
そうなると人手不足でますます残業や休日出勤が増え、その度に求人広告を出していたら支出がかさみますよね。
業務の生産性を上げ、離職を防ぎ、なおかつ入社希望も増える。
これらを実現する対策として「新入社員の個性を尊重し、プライベートを充実させる」ことが必要になのです。
② キャリアやスキルアップを重視
入社して、自分の思い描いていたキャリアやスキルアップが望めそうにない時、これも新入社員が辞める原因につながります。
「半沢直樹」にて、営業がしたいのに雑用ばかりやらされていた東京03の角田のような状態では、すぐに辞めてしまうでしょう。
(実際は辞めずに半沢直樹と協力して、機密情報を盗み見るという大胆な行動をしていましたが、、、)
ドラマでは、単に嫌がらせから雑用をさせられていましたが、別に嫌がらせではなくても、新入社員に雑用を任せるのはよくある話です。
対策として、新入社員には例え雑用であっても「何のために仕事をお願いしているのか」と、目的を必ず伝えましょう。
正確に言えば、新入社員が希望する目標を正しく把握し、その目標から逆算して今はこの仕事をしている、と本人に認識させることです。
例えば、家を作るためには、まずは基礎工事が必要ですよね。
基礎工事が終われば、組み立て工事→屋根工事→内装工事と完成に向けて工程が進んでいく訳です。
新入社員には、初めに家を作るという目的を伝えてから、基礎工事を指示するのです。
目的を伝えないまま、金槌と釘を片手に作業させても、「この作業は何の意味があるのだろう」と疑問を持ち、イヤになっていくのです。
そうならない為にも、初めに新入社員の目標を正しく把握した上で、会社や上司が新入社員に対してロードマップを示し、ひとつずつ仕事を与えていきましょう。
ムダな仕事なんてひとつもない。
すべて目標へ向けての積み上げなんだ!
このように認識させることが大切です。
③ ビジネスライクな関係を好む
新入社員を理解するには、まずお互いを知る必要があるな。
よし、今晩あたり飲みに誘ってみるか!
新入社員を退勤後に飲みに誘う行為は、新型コロナの情勢を抜きにしても嫌われる傾向にあります。
実際にGoogleで「飲みニケーション」と検索してみてください。
「ムダ」「いらない」「時代遅れ」「うざい」といった、耳を塞ぎたくなるような関連ワードが出てきます。
ここまで嫌われる理由のひとつとして、「武勇伝を聞かされる」「説教をされる」というのが上げられます。
いやいや、オレはそんなこと言わないよ!
むしろ飲み会では仕事の話をしないようにしているんだ!
そう思っている人もいるかもしれません。
しかし、本当に行きたくないと思っている理由はそこではありません。
新入社員は「仕事は仕事」「プライベートはプライベート」でしっかり分けたいと思っています。
つまり、「ビジネスライク」の関係を求めているのです。
したがって、上司や先輩が飲み会で仕事の話をしようがしまいが、そんなのは関係ありません。
プライベートな時間が削られる上に、楽しくない。
しかも遅くまで付き合わされるから翌朝ツライ、、、
ここが最大の理由であり、その結果「ムダ」「うざい」「時代遅れ」と、直接言われたらメンタルがやられるワードが飛び出してくるのです。
こうならないためにも、最近の新入社員は「ビジネスライク」な関係を望む、ということを理解しておく必要があります。
とはいっても、仕事をしていく上でコミュニケーションを図ることは大事です。
その際は、飲み会ではなく別のやり方で、新入社員とコミュニケーションを取ります。
自分の経験を踏まえて、オススメのコミュニケーションを一つ紹介させてもらうと、「業務日誌でコミュニケーションを図る」のが有効です。
新入社員がその日どんな業務をしたか、何を学び、何を感じたか、分からないことや困ったことがないかなど、あまり固くなりすぎない形で記入してもらいます。
それに対し、こちらもなるべくソフトな表現を意識して、交換日記のような形でコミュニケーションを図るのです。
また、場合によっては時間を作って面談もしてください。
できれば、新入社員の方から面談を希望される前に、こちらから面談の日時をセッティングしましょう。
面談の際には、距離を縮めようとプライベートな話も聞きたくなりますが、そこは控えて下さい。
もし新入社員の方からプライベートについて話してきたら、それに応じる形でよいのです。
飲みニケーションをしなくても、新入社員とコミュニケーションを図ることは十分に可能です。
それでもやっぱり飲みニケーションは必要だ!
そう考える方は、試しに新入社員に対して「これでみんなで美味いものでも食べてきて」と、自分は行かずにお金だけ渡してみてください。
何回か続ける内に、きっと新入社員の方から「今日は〇〇課長とぜひご一緒させてください!」と誘ってくれるようになります。
ちなみに自分は上司という立場になって以降、部下を飲みに誘うことはありませんし、日頃の飲み会にも顔を出しませんでした。
ただし、部下が退職する際の送別会は必ず参加しますし、その際の食事代も自分が払います。
普段から部下を飲みに誘うのではなく、本当に大切な飲み会にだけ顔を出し、全部おごる。
この方が部下からも感謝されますし、全額自腹でもたまにしかない機会なので、出費も少なく済みますよ(笑)
まとめ
ここまで新入社員を育成する上で、絶対に知っておきたいことを3つ紹介しました。
最後にもう一度、内容をまとめます。
「最近の新入社員に見られる3つの傾向と、その対策を知る」
① 仕事よりも家庭生活を重視→長時間労働を強いない
② キャリアやスキルアップを重視→本人の目標から逆算して仕事をさせる
③ 仕事だけの関係を好む→プライベートには干渉しない
わたし、新入社員のことを全然理解していませんでした。
この3つを意識して、新入社員の指導に努めます!
自分は昭和生まれですが、時代は令和です。
令和時代を担う新入社員を指導するためにも、考え方を変えることは大事ですね!