ホテル支配人の仕事内容が知りたいです!
ホテル支配人の仕事内容ってどんなイメージがありますか?
窓越しに部下のトラブルを見守るって感じです!
それは某ドラマの見過ぎです笑
そうですか・・・
じゃあ勘違いされないためにも教えてください!
ホテル支配人の仕事内容|やるべきことは3つだけ
ホテル業界に興味がある方は、ホテル支配人の仕事内容が気になる方もいるでしょう。
ホテル支配人がやるべき仕事は、大きく分けて3つです。
①ヒト(人員)の管理
②モノ(施設)の管理
③カネ(売上・収支)の管理
ここでいう管理とは、「良い状態を保つ」ということ。
ホテル支配人の仕事内容は、この3つをしっかり管理することです。
逆にいえば、この3つのどれか1つでも管理が不足しているなら、ホテル支配人として失格といえます。
なぜなら、この3つは三位一体の関係で、どれか1つでも崩れるとホテルの経営はうまくいきません。
・ヒトが崩れる→職場環境の悪化→人員不足→サービスの低下→顧客離れ→売上減少→閉館
・モノが崩れる→従業員満足度(ES)の低下→サービスの低下→顧客離れ→売上減少→閉館
・カネが崩れる→給与や福利厚生などのカット→人員整理(リストラ)→閉館
どれも売上の減少、収支のマイナスに結びつき、最悪の場合ホテルの閉館まで追い込まれます。
しかし逆にいえば、この3つさえしっかり管理していれば良いということ。
もちろん、新型ウイルスのパンデミックや戦争などの影響は別ですが・・・
では、それぞれの3つの管理について具体的に説明しますね。
ヒト(人員)の管理
ヒトの管理とは、要するに人員の管理のことで、ホテルで働く従業員の管理を指します。
ホテル支配人であれば、多くの部下を統括する立場です。
そのため、従業員から意見があった場合は必ず耳を傾けてください。
ホテルはサービス業であり、常にお客様に見られる商売のため、現場のホテルスタッフは緊張からストレスを抱えがちになります。
部下のケアは上司である支配人の役割です。
加えて絶対に忘れてはならないのが、部下の教育。
教育自体は、副支配人やリーダーなどの役職スタッフに任せても構いません。
ただし、任せっきりにするのだけは絶対にダメです。
任せっきりは放置と同じですね!
部下がどのような内容をどういった形で指導しているのか、ホテル支配人は必ず把握してきましょう。
また部下から仕事の提案などがあった際は、積極的に耳を傾けてください。
ホテル支配人は、部下の提案に耳を傾けると同時に、提案がしやすい環境も構築しましょう。
部下の提案内容が良ければ、ぜひ積極的に取り入れるべきです。
逆に提案内容がイマイチであれば、頭ごなしに否定するのではなく、アドバイスをします。
大手飲料メーカーの「サントリー」にも、「やってみなはれ精神」という有名な考え方がありますよね。
提案があれば、否定ありきではなく、まずは取り入れること前提で考えることが大切です。
こうしたことを繰り返すことで、従業員満足度(ES)の向上につながります。
従業員の満足度が高いホテルには、必然的にお客様が集まるもの。
従業員が辛そうに働いているホテルには泊まりたくないですね・・・
大切なのは、従業員が働きやすい環境を構築することです。
それがホテル支配人がやるべき「ヒト」の管理です。
モノ(施設)の管理
モノの管理とは、ホテルの施設管理のことを指します。
施設管理ができていないホテルに、お客様は集まりません。
入口にゴミが落ちていたり、ロビーのトイレが汚かったり、天井の電球が切れていたりするホテルに、泊まりたいと思いますか?
施設の状況には、ホテル支配人が誰よりも目を光らせましょう。
ホテル支配人が積極的に施設を管理する姿を見ることで、部下も自然と施設の状況に気を配るようになります。
今まで気にならなかったドアのキズが、気になるようになるのです。
今まで気にならなかった電球切れが、あるだけでストレスになるのです。
設備の不備がストレスに昇華するくらい、魂を込めて管理しましょう。
また新たな設備投資を検討したり、導入を決断するのもホテル支配人の役目です。
部下から「業務用PCが古くて使いづらい」と意見があれば、最新型のPCを導入します。
部下から「休憩室の椅子を増やしたい」と意見があれば、座り心地の良い椅子を購入します。
お客様に見える部分だけではなく、見えない部分の設備にも気を配りましょう。
設備の投資で従業員が働きやすくなるのであれば、どんどん投資すべきです。
カネ(売上・収支)の管理
カネの管理とは、ホテルの売上や収支を管理することです。
ホテル支配人は経営者ですので、ホテルの売上を上げ収支をプラスにすることが使命です。
ホテルには稼働率(客室の埋まり具合を表す数値)という指標が存在しますが、ホテル支配人であれば、せめて直近2〜3週間の稼働率くらいは把握しておくべきでしょう。
ホテルの客室は航空機の座席と同じで、空気を乗せて(泊めて)いても1円にもなりません。
いかに稼働率を上げ、売上を確保するかが課題です。
宿泊課であれば、レベニューマネジメントと呼ばれる需要予測を駆使し、常に満室になるよう料金をコントロールします。(料金が一定のホテルもあります)
稼働率を上げるだけなら、全客室を10円で提供すればきっと満室になるでしょう。
もちろん、そんな経営をする訳にはいけません。
大切なのは、客室1室あたりの料金を、1円でも高くすることです。
宿泊料金が8,000円で満室になるのと、10,000円で満室になるのでは、売上は大きく異なります。
このあたりの話については、以下の記事で深堀りしていますので、よろしければコチラの記事もどうぞ。
ホテル支配人は、お客様や従業員に満足してもらうことが目的ではありません。
ホテルの売上を上げて、収支をプラスにするのが目的であり使命です。
お客様や従業員に満足してもらうのは、収支をプラスにするための手段です。
数字の管理は苦手です・・・
苦手でもやるしかありません。
損益計算書くらいは読めるようになりましょう!
一番大切なこと
元ホテル支配人である自分が、ホテル支配人として仕事をする上で一番大切だと思うこと。
それは「全ての仕事はお客様のためにある」という意識を持つことです。
自分はホテルマンとして働く中、「支配人」というポジションになるために、自分のためだけに仕事をこなすスタッフをたくさん見てきました。
自分のためだけにやる仕事とは、顧客ではなく自分の利益や目的のためだけに仕事をすることです。
・上司へのゴマすり
・手柄を横取り
・同僚を蹴落とす
これらは全て自分のためだけにやる仕事です!
しかし、世間には「自分のためだけにやる仕事」でしか、上を目指せないと思っている人がいるのも事実です。
確かに上記のような行為は、昇進するための近道かもしれません。
ただし自分のためだけにやる仕事は、必ず痛いツケが回ってきます。
ゴマすりした上司に裏切られたり、逆に手柄を横取りされたり、同僚から蹴落とされたりといった具合です。
そもそも上司へのゴマすりや手柄の横取りなどで支配人になった上司を、部下が良く思うはずがありません。
まだまだ世の中には真面目に努力した人が評価されず、ずる賢い人ばかりが評価されることもあります。
もしそのような環境が構築されているホテルがあるとするならば、ホテル支配人が変えるしかありません。
常にお客様のために努力し続けた人が、正しく評価されるようなホテルを目指しましょう。
自分ではなくお客様のために汗をかきましょう!
まとめ
ここまでホテル支配人の仕事内容を、3つに分けて解説してきました。
最後のもう一度、内容をまとめます。
「ホテル支配人の仕事内容は、大きく分けて3つ」
①ヒト(人員)の管理
②モノ(施設)の管理
③カネ(売上・収支)の管理
どの仕事も全てはお客様のためにある、という意識を持つ!
ホテル支配人の仕事内容が分かりました!
窓から部下を眺めているヒマなんてなさそうですね!
だからそれはドラマだけの話ですよ!(笑)
・・・自分も好きですが。