ホテルの客室清掃(バイト)ってきついですか?
結論から言うときついです。元ホテルマンの自分が理由を解説します!
ホテルの客室清掃(バイト)がきつい理由7選
ホテルの客室清掃がきつい理由は、以下の7つです。
・時間との勝負が求められる
・清掃ノルマがある
・髪の毛1本のミスも許されない
・腰痛になりやすい
・人間関係に気を使う
・急な出勤要請や早上がりがある
・希望シフトが通りにくい
自分は10年以上もホテル業界で働いていたため、ホテルの客室清掃の大変さが良く分かります。もちろん、自分自身もホテルの客室を清掃した経験があります。
フロントマンでも客室清掃するんですか?
デイユース後の客室を再販売するためにやってましたよ!
また、ホテルの支配人になった後は、定期的に清掃スタッフとのミーティングにも参加していましたし、清掃会社の責任者ともやり取りをしていました。
そんな自分の経験をもとに、なぜホテルの客室清掃がきついと言われるのか、理由を7つに分けて解説します。
求人サイトなどを見ていると、ホテルの客室清掃の仕事は人手不足のため、常に募集をかけているのが分かります。そのため、応募さえすればすぐにでも働けるでしょう。
ただし、安易な気持ちでホテルの客室清掃を始めると、必ずといっていいほど後悔します。「きつすぎる!」と感じて、すぐにやめてしまうケースも十分にあり得ます。
なぜなら、ホテルの客室清掃は想像以上にきついため、働くからにはそれなりの覚悟が求められるためです。覚悟ができていないと、激務に耐えられずにやめてしまいます。
では、ホテルの客室清掃がきつい理由について、詳しく見ていきましょう。
時間との勝負が求められる
ホテルの客室清掃(バイト)がきつい理由の1つ目は、常に時間との勝負が求められることです。
多くのホテルでは、チェックイン時間は14時〜15時で設定されています。そしてホテルの客室清掃は、チェックイン時間までに終わらせるのが基本です。
つまり、清掃のタイムリミットは遅くても15時までということ。タイムリミットがある以上、必然的に「1部屋につき何分まで」という制限時間ができてしまいます。
そのため、常にホテルの清掃スタッフは時間との勝負を求められるのです。
じゃあ清掃の開始時間を早めればいいのでは?
お客様が部屋を出ないことには、清掃できないんです
また当然ながら、制限時間を伸ばすために清掃開始の時間を早めるといったこともできません。
なぜなら、ホテルによってはチェックアウトギリギリまで部屋に滞在するお客様も多いためです。
もし仮に早くチェックアウトしたお客様がいたとしても、あまりに早い時間から清掃を始めた場合、他の部屋で就寝中のお客様から「うるさい」とクレームが入ります。
そのため、制限時間は多くても5〜6時間ほどに限られてきます。
もし制限時間内に清掃が終わらなければ、ホテルとの契約内容によっては清掃会社に対してペナルティが発生します。
そうなると、当然ながら清掃会社の評判が落ちるため、清掃責任者などから厳しく注意されるでしょう。
常に時間との勝負が求められる仕事、それがホテルの客室清掃がきついと言われる原因の1つです。
清掃ノルマがある
ホテルの客室清掃(バイト)がきつい理由の2つ目は、清掃担当者1人につき清掃ノルマがあることです。
清掃業務に慣れてくると、清掃リーダーなどから「最低◯◯部屋以上を清掃すること」といった清掃ノルマを与えられることがあります。
もしノルマをこなせなかった場合は、他の清掃担当者が代わりに清掃することになるため、常にプレッシャーを感じながら仕事をこなすことになります。
ノルマ未達のツケを自分ではなく同僚が尻拭いするというのは、想像以上にプレッシャーがかかる状況です。
ノルマ未達だと、同僚に申し訳ないと思うのと同時に、自分の不甲斐なさに腹が立つのです。
その結果、ノルマに追われるような状況に耐えられず、清掃の仕事をやめてしまうというケースも少なくありません。
もちろん全ての清掃会社にノルマがあるとは限りませんが、ノルマがあると精神的にキツイということを、あらかじめ覚悟しておきましょう。
髪の毛1本のミスも許されない
ホテルの客室清掃(バイト)がきつい理由の3つ目は、髪の毛1本のミスも許されないということです。
「髪の毛1本くらいで・・・」と思う方もいるかもしれませんが、ホテルの客室というものは、「人の気配」を感じると途端に気分が悪くなるもの。
確かにホテルのバスルームに髪の毛が落ちてたら、テンションだだ下がりですね・・・
tomokoさんのように、バスルームやベッドなどに髪の毛が落ちていたことで、不快な思いをした方も少なくないでしょう。
実際にホテルの口コミなどを見ると分かりますが、「部屋に髪の毛があった」という内容で高評価している人はまず見かけません。
それどころか、髪の毛の不備だけで星1つを付ける人もいるくらいです。
そのため、清掃スタッフは「髪の毛1本」「指紋1つ」に至るまで清掃漏れがないか、常に緊張感を持って仕事しなければなりません。
さらに絶対にミスが許されない状況でありながら、前述したように制限時間やノルマもあります。
「髪の毛1本のミスも許されない」というプレッシャーを感じながら、制限時間やノルマに追われ迅速に掃除しなければなりません。言うまでもなく、きつい仕事ですよね。
腰痛になりやすい
ホテルの客室清掃(バイト)がきつい理由の4つ目は、腰痛になりやすいことです。
ホテルの客室清掃で腰痛になりやすい一番の原因は、ベッドのシーツ交換です。
例えば、客室のベッドのシーツ交換する際は、必然的に姿勢を前かがみにして作業する必要がありますよね。
この「前かがみになる姿勢」というのは、腰痛を起こしやすい原因の1つとされています。
(中略)特に、猫背や前かがみの姿勢だと、腰の筋肉や靭帯にかかるストレスが増大し、痛みを感じる原因になります。
引用元:https://www.healthcare.omron.co.jp/pain-with/back-pain/lifestyle/
他にもバスタブの清掃や、中腰になっての掃除機がけなど、ホテルの客室清掃の仕事の多くは、腰に負担をかける動作が含まれています。
実際に自分が勤務していたホテルにおいても、腰痛に悩む清掃スタッフは数多くいました。
腰痛対策にコルセットを付けている人もいましたね
仕事が原因で腰痛持ちになると、日常生活にも支障をきたします。ホテルの客室清掃の仕事は、腰に負担のかかる動作が多いということを理解しておきましょう。
人間関係に気を使う
ホテルの客室清掃(バイト)がきつい理由の5つ目は、人間関係に気を使うということです。
ホテルの客室清掃は、1人で黙々と作業するのが基本のため、人間関係を気にすることなくできると思われがちですが、意外にそうではありません。
ホテルの客室清掃で働く方の多くは、パートタイマーの主婦です。そのため、女性同士で起こる人付き合いの面倒さが、職場では多く見受けられます。
もちろん、「女性だから」と性別でとやかく言うつもりは全くありません。
自分が言いたいのは、そういった女性の集団の中に自分が馴染める性格かどうか、ということです。
自分はいくつかのホテルで勤務した経験がありますが、現場の清掃スタッフの人間関係の多くは、現場のリーダーの性格によって良し悪しが出るなと感じていました。
現場の店長やリーダーによって職場内の人間関係に影響が出るのは、他の業界でもよくあることだと思います。
現場の清掃リーダーが不満ばかり言う職場は、当然ながら人間関係もあまり良くありません。そのため、チームワークが取れずに清掃ミスが起きやすくなります。
清掃ミスが起きれば、ホテルスタッフから清掃リーダーに対して注意喚起が入るため、余計にストレスがたまって人間関係がギスギスする、という感じです。
1人で黙々と仕事するホテルの客室清掃は、人間関係がなさそうに見えますが、実際は人間関係に気を使う職場だということを、理解しておきましょう。
急な出勤要請や早上がりがある
ホテルの客室清掃(バイト)がきつい理由の6つ目は、急な出勤要請や早上がりがあるということです。
ホテルの客室清掃の忙しさは、ホテルの客室稼働率に直結しています。稼働率が高いほど、それだけ清掃する部屋が増えるため忙しくなります。
客室稼働率って何でしたっけ?
宿泊客が実際に利用した客室数を、全体の客室数から割り出した数値です。100室のホテルで80室が埋まれば、客室稼働率は80%ですね!
多くの清掃会社では、先々の予約状況を確認しながら、当日出勤する人数を調整してシフトを作成します。
ところが、この客室稼働率が急激に伸びた場合には、清掃会社の出勤人数が足りなくなるため、出勤要請という形で応援を頼まれる可能性があるのです。
例えば、何らかの原因で交通機関がストップした場合などは、帰宅困難者が増えるため自然に駅近くのホテルの稼働率が一気に上がります。
客室稼働率が60%程度と予測してシフトを組んでいたのに、いざ出勤したら客室稼働率が100%まで上がっていて、慌てて応援を要請するといった具合ですね。
また出勤要請の逆パターンで、ヒマだからという理由で早上がりさせられるケースもあります。
台風の影響でキャンセルが続出した、という理由などで稼働率が落ちた場合、当初組んでいたシフトでは人数が多すぎるため、早上がりさせられる可能性があるのです。
ホテルの客室清掃の仕事は、ホテル客室稼働率によってシフトが振り回される可能性があるということを、理解しておきましょう。
希望シフトが通りにくい
ホテルの客室清掃(バイト)がきつい理由の7つ目は、希望シフトが通りにくいということです。
前述したように、ホテルの客室清掃の仕事は、勤務先であるホテルの客室稼働率に左右されます。
つまり、下記のようにホテルが満室となる日程は、希望通りのシフトが通らない可能性が高いと言えるのです。
・ゴールデンウィーク
・シルバーウィーク
・お盆期間
・年末年始 など
また上記日程以外にも、ホテルの近隣で大型イベント(人気アーティストのライブなど)がある場合も、満室になりやすいですね。
「ゴールデンウィークに旅行したいけど、休みが取れない!」といったことも十分あり得ます。
ホテルの客室清掃はホテルの稼働率でシフトが左右されるため、繁忙期などは希望通りのシフトにならない可能性が高いことを理解しておきましょう。
「一般的なホテルの繁忙期」
・ゴールデンウィーク
・お盆休み
・シルバーウィーク
・年末年始 など
」キツイことだけじゃない!ホテルの客室清掃のメリット
ここまできつい理由を述べてきましたが、決してホテルの客室清掃はデメリットだけではありません。
ホテルの客室清掃で働くメリットは、3つあります。
・将来的に仕事がなくならない
・高時給のバイトになる可能性が高い
・体力づくりに最適
では、1つずつ理由を解説します。
将来的に仕事がなくならない
ホテルの客室清掃で働くメリットの1つ目は、ホテルの客室清掃が「将来的になくならない仕事」であることです。
昨今におけるAI技術の進化は凄まじく、イーロン・マスクやマイクロソフトなども、AI技術の発展に可能性を感じ、かなり投資してますよね。
ホテルの仕事においても、ホテルの予約からチェックイン、チェック対応まで、すべてAIで代行できる時代が、すぐそこまで来ています。というか、もう来てますね。
例えば、エイチ・アイ・エスが運営する「変なホテル」では、AIを搭載したロボットがチェックイン対応しています。
また、大手ホテルチェーンのアパホテルでも、スマホ1つで予約からチェックイン、チェックアウトまで可能な、非接触型のサービスを導入しています。
ただし、どれだけAIの技術が進歩しても、人間でないとできない仕事がホテルにはあります。それが、ホテルの客室清掃です。
すでに「ルンバ」のような、簡単な床掃除ができるお掃除ロボットはあります。
でも、ベッドのシーツ交換やバスルームの掃除といった複雑な動きが必要とされる仕事については、まだまだ人間にしかできません。
もしドラえもんのようなロボットが開発されれば可能かもしれませんが、当分先の話でしょう。
そんな中、「ホテルの客室清掃」という仕事は、世界中からホテルが無くなるか、ドラえもんレベルのロボットが完成しない限りは、将来的になくならない仕事だと言えます。
世界中からホテルが無くなることはまずないでしょうし、ドラえもんが完成する日もまだまだ先の未来でしょう。
つまりホテル客室清掃は、将来的になくならない貴重な仕事だと言えるのです。
高時給の仕事になる可能性が高い
ホテルの客室清掃で働くメリットの2つ目は、高時給になる可能性が高いということです。
全国旅行支援などの影響もあり、コロナ禍に比べて旅行する人は急激に増えましたよね。
ホテルもコロナ禍以前のように忙しい日々が続いている訳ですが、そんな中ホテル業界では「清掃会社の確保」が課題となっているのをご存知ですか?
宿泊需要の増加に伴い、アパホテルなどを筆頭に次々と新築ホテルが開業していますよね。しかしながら、同様に清掃会社が増えているかというと、決してそうではありません。
当然ながらホテルは「客室」を販売する商売です。そのため、客室を売れる状態にしてくれる「清掃会社」の存在は、必要不可欠な存在だと言えます。
つまりホテルは増えているのに、ホテルの客室を清掃する会社は増えていないという状況ですね。
そのため、数の少ない清掃会社をホテル同士で取り合うという現象が起きてしまうのです。
もちろん自社で客室清掃まで担うホテルもありますが、ホテルの客室清掃の多くは清掃会社による業務委託が中心です。
清掃会社って、商業施設やオフィスビルなどでも契約しますよね。
引く手あまたな状態なのかも・・・!
契約先の清掃会社が全然見つからず、半泣きになっていた支配人もいましたね・・・
また、実際に満室になるほどの需要があるにもかかわらず、「清掃スタッフが足りないから」という理由で、客室の一部を売止しているホテルもあるほど。
実はホテル業界の中では、清掃スタッフ不足による客室の売止は珍しい話ではありません。
今後は清掃会社の価値が上がり、ホテルではなく清掃会社がより好条件で契約できるホテルを選ぶ、という現象が起きると考えられます。
Aホテル「◯◯円出すから、うちのホテルで契約してください」
Bホテル「Aホテルの倍出すから、うちのホテルで契約してください」
上記のように好条件で契約が締結されるため、必然的に清掃会社の収益も上がり、結果としてアルバイトの時給にも反映される可能性が高いと言えます。
ブログ内でも説明してきた通り、ホテルの客室清掃はきついため人手不足になりやすい業界です。ただし、これが「時給2,000円の仕事」であれば、話は変わってくるでしょう。
今後は清掃会社の需要が上がり収益の増加も期待できるため、「きつくて低賃金」の仕事から「きついけど高賃金」の仕事に変わる可能性が高いと言えるのです。
体力づくりに最適
ホテルの客室清掃で働くメリットの3つ目は、「体力づくりに最適」であることです。
いまは人生100年時代と言われていますが、誰もが長生きをする現代に必要なのは、何よりも自身が「健康」であることですよね。
ベストセラー著書「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」の中でも、健康は「活力資産」の1つとして、100年時代を生きるために必要な無形資産だと言われています。
ホテルの客室清掃の仕事は、動き回っている時間がほとんどのため、体力づくりに最適な仕事です。
ジムにお金を払ってダイエットするくらいなら、ホテルの客室清掃の仕事でダイエットしつつ、お金も稼ぐという方法もアリですよね。
「日頃の運動不足を解消したい」
「健康のためにダイエットしたい」
このように考えている方は、ぜひホテルの客室清掃でのバイトを検討してみてください。
まとめ
ここまで元ホテルマンの経験をもとに、ホテルの客室清掃がきつい理由7選と、メリットを3つ解説してきました。
最後にもう一度、内容をまとめます。
ホテルの客室清掃(バイト)がきついと言われる理由が、よく分かりました!
もちろんホテルの客室清掃のバイトにはメリットもあります。
メリットとデメリットを踏まえて、働くかどうか検討してみてくださいね!